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対談(TOKYO-FM2007/1/25)その2/2 [記事&インタビュー]

松任谷由実と宮本浩次の対談の書き起こし、全2回シリーズの第2回。
音源はTOKYO-FM「SWEET DISCOVERY」2007/1/25放送回

第1回よりの「つづき」。話は【翳りゆく部屋】から、やってみたいことなどへ。

対談はアルバム『STARTING OVER』の発売にともなうメディア露出の一貫。
今回、この対談を書き起こそうと思ったのは、
ユニバーサルシグマ移籍に伴う作風の変化を否定する一部の人たちへ、
その変化が宮本やエレカシ自身から発せられたものであることを示す証拠にもなる、
と考えたからである。
蔦谷好位置の参加が作風の変化を及ぼしたという偏見を払拭する一助になることを望む。
(第一回はこちら



松任谷 「お送りしたのは、今週水曜日発売される『STARTING OVER』から、先行シングル【笑顔の未来へ】でした。いやあ、いい声だね。曲のフックと何て言うんだろう核となる部分をちゃんと両立させていて。いやあ、この曲もすごい好きですよ。TOKYO-FMをキーステーションとして33局をネットして、日曜午後1時よりお送りしている「Sweet Discovery」今日はエレファントカシマシの宮本浩次さんをゲストにお送りしています。今月はこの番組2008年がどうなっていくだろうということをテーマにお送りしてるんですけど。そんな話をここで、宮本さんにお聞きしたいですけど。」
宮本「あの僕、堅苦しいですかね?」
松任谷 「いいよ、堅苦しくても堅苦しくなくても。そういうわけのわからない感じでも、きっと伝わると思います。」
宮本 「……。」
松任谷 「あの今年はどんな音楽とミュージシャンが注目されたり、一波乱起こしてくれると思いますか?こう言う人が盛り上がったらいいなあ、というのでもいいよ。」
宮本 「でも、歌の強い人と…、自分でいうのも何ですけど、自分が歌うたってるからっていわれちゃうかもしれないですけど、やっぱこう泣きたいんですよね。僕もいい表現に会うと、うーんとそれこそご本人の前であれですけど、僕はユーミンさんの歌を聴いて泣いてさっぱりするみたいな、そういう熱い涙を流したいなっていう。それどんなシーンでも、もちろん恋人とでも再会して熱い涙流すのも、熱い涙。だからそういういい歌。ストレス がどうしたって多いから、日本人に限らずね。いい琴線に熱く、熱い思いのある音楽が聴きたいですかね。ええ、どんなかたちであれ。」
松任谷 「それと同時にね、「伝え方」がこのところ激変しているわけですよね。届け方。例えばレディオヘッドが新作をダウンロードで発売したり。あの値段勝手にユーザーに付けさせたりとかあるじゃないですか、プリンスはイギリスの新聞に無料でCDを配布したりとか、いろんな音楽の届け方を世界中のミュージシャンがしているんですけど、宮本さんとしてはダウンロードについてどう思うかとか?」
宮本 「ダウンロードは、僕は自分がしたことがないからわからないんですけどね、やっぱいい曲は、みんなに届く曲はどんなかたちであれ売れてるみたいだから。」
松任谷 「まあそうですね、届け方はあまり本人たちが考えることでもないかもね。」
宮本 「考えてるタイプの人もいるんですよね。昔、ライブハウスなんか行っても、自分ですごくチラシをつくって、上手につくって色んな人たち集めて、上手にやってくタイプの人とか、…僕らは全然できなくて。でも、そうやってアイデアを出してくれる人がいて、そういう仲間が欲しくてプリンスもレディオヘッドもやってるのかもしれない。でも超大物だし、僕らにはちょっと無理ですね。その歌がよければ、かたちはどうあれよいのかなと思って。」
松任谷 「そうね。そうかもしれない」
松任谷 「さて実は、エレファントカシマシのニューアルバムのなかで、私の【翳りゆく部屋】をカバーしてもらってます。」
宮本 「ありがとうございました。すごくいい曲で、「すごくいい曲」とご本人の前でいうのは変なんですけど。なんかすいません。」
松任谷 「私も大昔の曲なんでね、荒井由実時代の」
宮本 「ユーミンさんの曲は何でもそうなんですけど、僕は涙が止まらないんですよ。女性のための歌だったら。僕の解釈なんですけど。すごくピュアに僕は感じて、歌詞もすごいですね。「輝きは戻らない…」、ご本人の前でいいですか、失礼を承知の上で。」
松任谷 「あの大丈夫、自分でももう。昔の作品とは限らないんだけど、何時作ったかという時間軸はあんまり関係ないんだけど。いったん(自分の手を)離れると他人事みたいなところがあるんで」
宮本 「じゃあ、遠慮なく言わせてもらって。「私が今死んでも」って、それって、俺衝撃を受けて、それは何でかって言うと、僕はそんとき一生懸命曲を作っていたときに、なんか【翳りゆく部屋】を聞いてたんだけど。慰めなくちゃいけないんじゃないかとか、僕「頑張ろうぜ」なんかいう歌もうたっちゃってるんだけど、そういう意味の励ましじゃなくて、死んでも、私が死んでも輝きが戻らない、これ小学校のとき、小学校の時っていうと随分古いですけど、小学生の時にこの曲がラジオで流れているのをはっきり覚えていて、すごいその時から不思議な感じはしていたんですね。で、大人になって改めて歌詞を見てみると、すごいことが歌われていて、でもそれは、よくよく聞くと、恋愛の歌なんだけど、人間が生きて行くことの哲学、僕曰くですよ。哲学みたいなものが、理屈にしちゃうと、そういうところがあって、正々堂々と歌える歌なのかなという風に思って。ライブで一度やらせていただいて、実はそれがすごい評判で、これ何て素晴しい曲なんですか、これユーミンのあれなんですね、ていう感想もらったりして、そうなんですといって。」
松任谷 「私ね、覚えているのは、一番音が高くなるところの歌詞が「がぁ」っていうところがあって、「どんな運命がぁ」のところの「がぁ」って、それってタブーみたいだったのね。濁音しかも「が」、一番のところに来るのが。で作ったときに周りからそういう風に言われた覚えがあるんだけど、歌詞の内容がどうとかいうより、あるバイブレーションですごいぶつけるしかないみたいな。で、私のパブリック・イメージとか声からくる大道の路線からはずれているけど、元はブリティッシュものとか大好きで、そのころはすごく影響を受けてたと思うんだけど。この曲は林檎(椎名林檎)ちゃんがカバーしてくださったり、なんか私のなかで、すごい来るロックテイストのサウンドというのが、ズクズクのサウンドではないんだけど、出てるのかな、それを汲んでもらったのかなという気もしますね。光栄でございます。じゃあ、ここでエレファントカシマシの【翳りゆく部屋】を聞いてもらいたいと思います。」

【翳りゆく部屋】流れる

松任谷 「エレファントカシマシのニューアルバム『STARTING OVER』から【翳りゆく部屋】をお聞きいただきました。いやあ、うれしいな。すごい気持ちいいですね、これ。」
宮本 「ありがとうございます。」
松任谷 「さっきちょっとふれた「がぁあ」というところにカタルシスがありますね。気持ちいいと思って、こう内面を吐露する感じで歌ってもらっているのが、勝手に(うれしいです)。私はわかる気がして、喜んじゃいました。松任谷由実の「SWEET Discovery」本日はエレファントカシマシの宮本浩次さんをお迎えしてやってきましたが、そろそろお別れのお時間です。」
松任谷 「今年、エレカシ、宮本さんがトライしたいこと、何かありますか?」
宮本 「そのダウンロード一回してみようかな。何かわかんないけど。やったことないんで。コンピューターの。やっぱ携帯電話で音楽を聴く感覚がないんですよね。一回その気持ちを味わってみたいと思って。やってみようと思います。」
松任谷 「私もね、実はないんですよ。自発的にはないんですよ。何か一応やってみようかなっていうことで数曲しただけで、別になくてもいいやっていうか、やっぱCDで聞きたいなあっていう派なので。まあ、トライのひとつということで。それから今後のご予定…」
宮本 「まあ先なんですけど、4月からツアーがあって、やるんです。名古屋とか神戸とか福岡とか岡山とか新潟とか札幌とか渋谷とかでやります。数は少ないんですけど凝縮して、ちから一杯歌って行きたいと思います。」
松任谷 「最後に1曲聞きながら、お別れしたいと思います。」
宮本 「では【俺たち明日】という曲です。聞いてください。ありがとうございました。失礼いたします。」
松任谷 「ありがとうございました。」

後説

松任谷 「今日はエレファントカシマシの宮本浩次さんをお迎えしましたが、いかがでしたか? 個人的には大好きな声。一声聞いただけで。それからずっと続けている、子供の頃からいっしょにエレファントカシマシというバンドを一筆で、なんか或る東京のトーンがサーっと広がるような。ある水位をズーっと保って、同じ個性をずっと世の中に問いかけ続けてるっていうのが、「世の中に」ってことじゃないのか、その姿勢がすごいことだなと私は思った訳ね。私なんかはイベンター・タイプなんで、いつもどこかでギャンブルみたいなことをしてずっと進んできたのがあるんだけど、その淡々と或る水位を保って個性を保っているというのが、お世辞じゃなく尊敬に値するような気がして、すごく新鮮でした。」
終了(2/2)

(第一回はこちら
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コメント 3

かにぱん

はじめまして。
いつもわくわくしながら記事を読ませていただいてます。
2年以上前、この放送を聞き逃してしまい、
悔しくてネット上で探しましたが見つからず、
すっかり諦めていました。
それが今知ることができました。
お2人の会話が聞こえるようでとても楽しかったです。
ありがとうございました!
by かにぱん (2010-04-30 22:15) 

黒のシジフォス

かにぱんさん、はじめまして。ようこそ。
楽しんでいただけているようで、幸いです。
聞き逃した放送だったのですね。

2人の会話については、
できるだけ忠実にしゃべった通りに書き起こしています。
二人同時にしゃべっている部分は再現できませんが(笑)

いろんな記述があるので、覗いて楽しんで下さい。
チケット関連の項目では、やや口調がキツイですが、
本人はいたって温厚です(本当か?)
また、お越しの際は足跡がわりに言伝などどうぞ。

by 黒のシジフォス (2010-05-01 12:05) 

こはろう

黒のシジフォスさんおはようございます。
(はじめまして???でないような・・・気がいたします。
数年前にコメントさせていただいだような・・・記憶違いでしたらごめんなさい!)

昨日エレカシファンお友だちと、昔ユーミンのラジオに宮本さんが出演した、という話題になって、気になって検索してこちらにたどりつきました。

文字起こし、ありがたいです!
ほんとに、遅すぎる御礼で申し訳ないのですがありがとうございます!

たくさんの時間と神経を使われたことと想像します。

おかげさまで当時のお二人のやりとりを感じることができました。
by こはろう (2014-02-19 08:41) 

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